システムトレーディングとは、どんな投資法?
下のチャートを見てください。
赤いマークが買いシグナル、青いマークが売りシグナルです。天底をうまくとらえていることがわかりますね。
もし、この売買シグナルに従ってトレードしていたら、かなり儲かっていたと思いませんか?
システムトレーディングとは、こういった売買シグナルのみに従って機械的に売買する投資法です。企業の情報を集めたり、チャートの形を目で見たりして売買を決めるのではなくて、コンピュータが買いシグナルを出せば「買い」、売りシグナルを出せば「売り」というように、売買シグナルにだけ従ってトレードする手法です。
そんな方法で儲かるわけがないと思われるかもしれません。しかし意外なことに、一流のトレーダーの多くがシステムトレーディングを使っています。日本ではまだ少数派ですが、アメリカでは有効な投資スタイルの1つとして広く普及しています。
ファンダメンタル分析にせよテクニカル分析にせよ、最終的に投資家自身が売買を判断すると、どうしても自分の感情に沿った判断をしてしまいます。例えば、心の底で「前にこの銘柄で大儲けできたので、今度もいけるはず」と感じていると、買いに有利な情報だけを信じたくなったり、反対に「含み損が出ているから売りたくない」と感じていると、もうすぐ上がるという情報を信じたくなりませんか?こういった「心の弱さ」は、投資を長くやっている人間であれば何度も経験したことがあるはずです。
人間は、はっきりと意識していなくても自分の感情にそった判断をしてしまう傾向があるのです。システムトレーディングでは、こういった人間の感情を排除し、機械的に売買を行うことが最大のポイントです。
システムトレーディングでは、売買はすべて機械に任せてしまい、売買シグナルを見ることだけに集中します。
そのため、その売買シグナルが信頼できるかどうかが、もっとも重要になります。
売買シグナルはどうやって出すの?
実は、先ほどのチャートの売買シグナルは「3点チャージ」という売買法のシグナルです。「3点チャージ」は、簡単に説明すると次のようなルールです。 (詳しくは、「最強3点チャージ投資法(徳間書店)」という本で紹介されています。)
買い条件
・乖離率 (26日) が -15 より下
・VR (25日) が 70 より下
・RSI (14日) が 25 より下
売り条件
・乖離率 (26日) が 15 より上
・VR (25日) が 250 より上
・RSI (14日) が 70 より上
この買い条件3つを満たせば買いシグナル、売り条件3つを満たせば売りシグナルというわけです。毎日チェックすることで、売買のタイミングを自分で計算することができます。これはパソコンを使えば簡単です。・乖離率 (26日) が -15 より下
・VR (25日) が 70 より下
・RSI (14日) が 25 より下
売り条件
・乖離率 (26日) が 15 より上
・VR (25日) が 250 より上
・RSI (14日) が 70 より上
「3点チャージ」はほんの一例です。他にもいろいろな売買法があります。
※パイロンでは、売買ルールのことを「ストラテジー(売買戦略)」と呼んでいます。
パイロンで対応しているシステムは?
システムといっても、いろいろなタイプがありますが、パイロンでは、日足データを元にしたシステムを扱います。毎晩、その日の株価を元に売買シグナルをチェックし、明日の注文を入れるという取引スタイルです。デイトレーダーが使うようなリアルタイムの株価を処理するソフトではありません。機械的な売買というと、証券会社への注文まで自動的に行ってくれるようなソフトをイメージされる方もいますが、パイロンでは売買シグナルを表示するだけで、実際の売買注文まで自動的に行うわけではありません。
株式投資の場合、どの銘柄を対象にするかという点が重要になります。例えば3点チャージの場合、売買シグナルが非常に出にくいので、銘柄によっては10年間で売買が一度も成立しないこともあります。こういった場合は、複数の銘柄を対象にして買いシグナルが出た銘柄から買っていくという方法や、銘柄ごとに売買ルールを調整することが必要になります。
儲かるシステムと損するシステムを見分ける方法
さて、システムを使っていると、成功するトレードだけでなく失敗することもあります。成功と失敗をトータルで見てどれだけ利益がでるかが重要になります。例えば「3点チャージ」の売買シグナルに従って、[1301 極洋] の売買を10年間続けていたら、どうなったでしょうか結果は次の通りです。
期間 : 1993年01月〜2002年12月
元手 : 1,000,000
純利益 : -29,557
残高 : 970,443
トレード数 : 4
勝率 : 50.00%
あまり良い成績ではありません。トレード数も少なすぎます。売買ルールをもっと改良した方が良いのかもしれませんし、この銘柄には向いていないのかもしれません。このままではちょっと使う気になれません。元手 : 1,000,000
純利益 : -29,557
残高 : 970,443
トレード数 : 4
勝率 : 50.00%
このように、過去のデータを使って売買シミュレーションすることを、専門用語で「バックテスト」といいます。バックテストをすることで、使うべきシステム(=利益の出るシステム)かどうかがわかります。
売買法を紹介した本はたくさんありますが、バックテストの結果はほとんど明らかにされていません。多くの投資家は、本に書かれていることを目をつぶって信じるしかないのです。バックテストできるということは、そうでない多くの投資家に比べて、大きなアドバンテージ(優位性)だと思いませんか?
優秀なシステムを探しだそう
バックテストの結果を見れば、優秀なシステム(=使うべきシステム)か、そうでないかは明らかです。優秀なシステムを見つければ、あとは単純に売買を繰り返すだけで、資産がどんどん増えていくことになります。優秀なシステムを見つけるには、どうしたらよいのでしょう?
(理想的な資産曲線)

パイロンで実際に検証してみるとすぐにわかりますが、本に載っている有名なシステムをそのまま使って大儲けできることは、まずありません。本に載っているということは、みんなが知っているということです。他の人と同じ事をやっていては儲からないというのは、あなたも痛感されていると思います。つまり、優秀なシステムは自分で作るしかないということです。
それでも有名なシステムを知っておくことは大切です。やみくもに指標を組み合わせるのではなく、有名なシステムをベースにして改良を加えていきましょう。
じゃあ、自分だけのシステムを開発するぞ!
「システムを開発するなんて、どこから手を付けていいかもわからない」・・・私も初めはそうでした。しかし、トレーディングシステムの開発は、それほど複雑な作業ではありません。おおまかには次の1)から4)までの流れになります。

具体的には、
1) いろいろな投資の本を読みアイデアを借りる
システムを全くのゼロから考え出すのは難しいので、初めはいろいろな本に載っているシステムを参考にしましょう。「参考書籍」を読むことで、システムのヒントが得られるはずです。
2) 過去データで検証・テストする
パイロンを使えば、テスト期間などを設定してボタンを押すだけで、過去データで売買シミュレーション(バックテスト)できます。
3) 結果が良くなかったら、原因を探って手直しする
成績が良くなかったら、どの売買条件がネックになっているのか、どういう局面ではうまく機能しないのかを調べ、少しずつ改良していきましょう。
システムトレーディングでは運用を始める前が最も大変です。自分の満足いくシステムを作るのは簡単にはいきません。逆に言うと、いままで、いかに安易に投資していたかがよくわかります。
しかし、システムを作ることは、けっして苦痛な作業ではないのです。思いついたアイデアを試し、それがうまくいったときは言葉にできないほど嬉しいものです。
満足できるシステムが完成したら、あとは、4) 毎日、売買シグナルをチェックする だけです。
システムを運用する時の注意点
「システムトレーディングで一番難しいのは、システムに従い続ける事だ」という人もいます。システムで売りシグナルが出ても、チャートを見ると上昇しそうに思える。こんなときに、ついシステムに従わずに自分の直感を信じてしまう。1度や2度は直感が正しいかもしれません、しかし、長期的には必ずマイナスになります。
大切なことは、自分の直感よりも、自分のシステムを信頼することです。納得できるまで、何度も何度もテストを繰り返して作成したシステムであれば、信頼することができるでしょう。しかし、他人が作ったシステムをそのまま使っていたらどうでしょうか?何度か負けトレードが続くと、そこで使うのを止めてしまうのではないでしょうか?自分で作ったシステムだからこそ信頼して使い続けられるのです。そして、それがシステムトレーディングで一番大切なことです。
